月曜日, 7月 06, 2020

トランプも観るべし!キーン大統領の決断!!

 先週、Netflixで最近配信されるようになった「HOMELAND」のシーズン7を一気見しました。主役のCIAの女性エージェント・キャリーの双極性障害による、事象の極端化、深刻化は相変わらずのですが、時期が時期だけに注目したストーリーとテーマがあったように思い、書き留めておきたいと思います。
 それは、このシリーズ中では大統領になっている女性のキーン大統領が、シリーズ後半のエピソードで一旦は閣僚たちよる弾劾にあい、失脚しますが、キャリーとソールたちの特殊工作チームが敵地ロシアで作戦を実施し、証人を奪還し、アメリカに連れ帰って公聴会でロシアがアメリカ政権、特にホワイトハウスを混乱に導き、政権の弱体化を工作した事実を明らかにすることで、大統領は弾劾の窮地から復活し、再度大統領に返り咲きます。注目したのは、その後のことです。
 一旦は大統領職に復帰しますが、復帰直後のアメリカ国民へのテレビ放送で、スピーチ・ライターの用意した原稿ではなく、自ら、自分の考えを滔々と訴え始めるのです。その内容とは、「政権の歪みに付け込んで、政権弱体化を狙ったロシアの企みは排除した。しかし、政権内、議会との関係や国民の間に亀裂と分断を作り出した責任は私の政権運営にあり、責任は自分にある。したがって、自ら職を辞し、副大統領に大統領職を禅譲する」と、一方的に発表するのです。注目点は、分断とアメリカの国是である民主主義の基本理念を無視した政権運営を反省し、潔く、自ら退く点なのです。
 さて、トランプ大統領はこのドラマ見ていないとは思いますが、イメージ戦略を担当するバッアップ部隊は当然モニターしているはずですし、このプロットを用意した製作陣の根性を凄いと思うのです。
 その意味では、「the good fight」の中でのエピソードに、同じような製作者の根性を感じたエピソードがありました。「the good wife」のスピンオフ作品で、弁護士事務所の女性社長を中心に話は進みますが、盛んに現政権のエピソードが盛り込まれています。企業買収に伴うホワイトハウスの介入や政権に敵対すると思われる会社や個人への盗聴、そして警察をはじめ、CIAやNSAをはじめとするあらゆる国家機関による妨害工作が、次から次へと盛り込まれています。明らかに反トランプなのです。
 そんなエピソードの中でも一番強烈なのは、トランプがかつてロシアのホテルで女性たちを部屋に連れ込み、ベッドでの放尿シーンを撮影されていたと言う事案でしょう。このエピソードを見たとき、アメリカはジャーナリズムだけじゃなくて、エンターテイメント作家、製作陣も、本気になっているなと感じました。この事実を証明する写真の存在があり、それを巡って、民主党側との取引に出ていくのですが、その結末も、現アメリカを象徴していたように思います。結局、強権的、独裁的な政権のやり方に恐れをなしている民主党側が手を引くのです。あまりにも危険極まりないとして。今、アメリカには、トランプをヒトラーに擬える人々が、実は大勢いるんですね。

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