日曜日, 10月 12, 2008

新旧天才ジョッキーの闘い 武豊VS三浦皇成

武豊騎手はデビュー当時から天才の呼び名を欲しいままにしてきた。同期の蛯名正義騎手に言わせると、「豊は人間じゃないから!」。それほど、彼の勝ち鞍数は飛び抜けており、毎年100勝以上を積み重ねている。ところが、今年3月に競馬学校を卒業した新人のなかから、武豊を超えるジョッキー、新しい天才とうたわれる新人が出てきた。
 三浦皇成騎手だ。三浦騎手は、中央競馬にデビューしたその日に重賞を勝利し、周囲を驚かせたが、その後も勝ち鞍を積み重ね、先日ついに武豊が持つ新人初年度勝利数69勝に並んでしまった。それだけでなく、新人最多年間騎乗数は、昨日時点で武豊騎手のもつ554鞍を軽々とこえてしまったのだ。昨日は4つもの1着を稼ぎ、新人勝利数でついにタイ記録となったのだ。
 さて、今日は武豊騎手も東京へ遠征し、三浦騎手との直接対決が見られるとあって、新人勝利数更新の記録が生まれるのか、それもタイトル・ホルダーたる武豊騎手との直接対決でものにするのかが、注目されていた。武騎手は、三浦の69勝タイ記録に並んだ件で、「立派なこと。すごいことだと思う」とコメントしていたが、その心中やいかに。凱旋門賞惨敗の余韻か、昨日の京都での武騎手の勝ち鞍は1つだけ。さてさて、今日はどうなるのか、このような観点でレースを眺めていた。
 新聞各紙の予想の印も、三浦びいきを反映してか、皇成の騎乗馬にやたらと○や▲印が並んでおり、「本当かいな??」と思った競馬ファンも多かったのではなかろうか。
 さて、実際の対決はどうだったか? 直接対決したレースの比較してみよう。
    武豊       三浦皇成  (人=人気順位)
1R  1着 /1人   6着 /7人
2R  12着/4人   14着/5人
3R  1着 /1人   5着 /2人
5R  1着 /3人   5着 /5人
6R  1着 /1人   12着/9人
7R  4着 /3人   7着 /1人
10R 5着 /7人   13着/3人
11R 2着 /1人   11着/3人
12R 1着 /5人   4着 /3人
 計8レースの直接対決があり、武騎手は1日に5勝するという離れ業を見せつけ、さらに、直接対決した全レースで掲示板(5着以内)を確保。一方、三浦騎手には勝利はなく、掲示板を確保できたレースは3つだけという結果だった。「天才の先輩」としての面目躍如というべきか、やはり、人業とは思えない凄みを示した。騎乗馬の人気をみても、武騎手の騎乗馬には人気馬が多く、その人気に答えている。一方、三浦騎手の騎乗馬にはかなりの人気馬がいたにもかかわらず、人気順位以下の結果が多い。過剰な三浦期待人気が馬券購入をプッシュしていたことを割り引いて考えても、今日一日限りでみた場合、軍配は明らかに武豊に上がった。
 いずれ、それもそう遠くないうちに、武騎手の新人最多勝記録は三浦騎手が破るはずだ。しかし、その前の嵐のような三浦騎手に対する洗礼はスポーツ・ジャーナル、競馬マスコミの語りぐさになるのでは。こういう競馬観戦もあったのか! を発見した面白い一日だった。
 さて、秋のG1は先週のスプリンターズSは見事ゲット! さい先のよいスタートとなった。この秋はG1に限り、参戦しようと考えている。来週の秋華賞に向けて、今晩から予習(仮説と推理)を始めるとしよう。配当は二の次、的中の二文字を目指して!
 

金曜日, 10月 03, 2008

自然に手を入れると言うことは……

里山が注目されている。人間が手入れをするから里山の生態系が維持され、山林や山の幸がとぎれることなく人々を長年にわたって潤してくれる。しかし、一端手を入れた自然を何かのきっかけで放置すると、自然は人間の恣意性を遙かに上回る猛威を持ってさまざまな植生が繁茂し、自然は自然のバランスを取ろうとする。そうなってしまうと、もう人間は手足も出ないくらいに、草木のジャングルが出現する。このような風情は、人の出入りが無くなった工場跡、人の棲まわなくなった民家の周辺で良く見受けられることだ。
 ここから学ぶことは、一端自然に手を入れたならば、つかず離れずの精神で、あくまで気長に自然とのコミュニケーションを絶やさず、自然と対話をし続けることなのだ。声を出して話しかけることを言っているのではない。例えば、草を刈り、お花を植えたとする。ならば、お花の回りくらいは草取りを欠かさず続けるとか、庭の樹木が繁茂する季節が来たならば、樹木にも夏向きに選定を施し、軽くしてやることとかを言っているのだ。
 我が造園の師匠の渡邊氏によると、昔風の土間の玄関先を持つ農家では、毎日、ほうきで枯れ葉などを集めるほうき掃除をしている。こうして毎日ほうきをかけるだけで、草は生えないそうだ。この精神が日本的な庭園創りの根底にある。インドネシア・バリ島の朝の風情もほうき掃除で落ち葉を集めることだ。
 そう言えば、幼い頃草取りを習慣付けられた記憶が甦ってきた。それは、こんな感じのものだ。小学校から帰って、カバンを家に置き、遊びに行こうとすると、「外へでたら、兎に角、草を10本抜きなさい。抜いた草は石の上に置いておけば枯れ草になり、たき火でもやせる。1回10本でも10回やれば100本。草取りは、たえず飽きないでやるもんだよ」。
 猫のみ騒動で旧宅へ出掛ける機会が増え、こんな感想を持つようになった。そして、世に言うガーデニング・ブームを疑問に思うようになった。管理されすぎのお庭には、何故か、心が響かない理由も見えてきた。その理由の一つには、日本の風土古来の植生を壊していく植栽が多いからかも知れない。外来の草花を多く植えれば、旧来の生態系が変化し、それに伴い、昆虫や野鳥の飛来も変わってしまう。昆虫が媒介した種子や種付け作業がなくなれば、草花は自然消滅していく。人間の趣味を維持し、継続的に楽しもうとガーデニングに励めば励むほど、本来の生態系から解離していくわけだ。これは、とんでもないパラドックスに気がついてしまった。旧宅の生態系をどのように維持するのか。これは相当深刻な、しかし、楽しみな課題になりそうである。

   アマゾン・プライムのラインアップ構成、なかなか気が利いていると思います。このお盆の時期、見放題のラインアップに、「戦争と人間=3部作品」や「永遠の0」が出てきていましたが、それよりも良かったと思ったのは、「空人」です。エンターテイメント性は希薄ですが、これぞ名画といった作品...