土曜日, 1月 06, 2007

木全 賢著「デザインにひそむ<美しさ>の法則」ソフトバンク新書

工業デザイナーとして家電商品のデザインに関わってきた著者が、現代の工業デザインが意識している概念をやさしく解き明かした書である。黄金比率、白銀比率、3分割法など、デザイン的要素を考慮しなくてはならない領域で作業をする学生たちには是非読んで貰いたい書だ。とにかく、事例がシンプルで解りやすい。その「わかりやすさ」というユニバーサルな概念が、ときに地域性や民族的な風習によっても変わってくることなども少し触れられており、面白い。ただ、この書は深く知ろうと思う人々にとっては不満が残ることになろう。肝心の事例に不足しており、概念をおおざっぱに理解するには充分だが、さらに深く知ろうとするとするならば、最後に掲げられた参考図書へと進まなくてはならない。だから、あくまで、黄金比率とは何か、白銀比率とは何か、3分割法がクリエーター志望者の手始めに取り組むべきもっとも簡単なアプローチの出発点なのだということを教えてくれる、そのような動機付けとして、この書をライブラリーに入れておきたい。

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