日曜日の夕方から昨晩にかけて、イギリスで製作された海洋ドラマ・シリーズを連続視聴しました。邦題「ホーンブロー 海の勇者」(原題: Hornblower)です。原作はセシル・スコット・フォレスターのホーンブローシリーズとのことです(Wikipedia)。
まず第一に、シリーズものではありますが、1エピソード(1話)の尺が90分程度に編集されており、ストーリーに完結感のある編集になっている点に好感を持ちました。また、たっぷりに挿入されている帆船、それも当時のイギリス海軍の軍艦の作りにも惹きつけられるものを感じました。帆船は、とにかく魅力たっぷりですね。(個人的には、この時代の大型帆船に乗船しての外洋旅に憧れています)
時代は、18世紀後半から19世紀初頭のイギリスとヨーロッパ大陸側と情勢が背景になっています。シリーズ後半のエピソードでは、ナポレオンの弟が出てきますので、正確には、19世紀初頭だと思います。主人公のホレイショ・ホーンブロワーの英雄譚と一言で言ってしまえるのですが、ドラマが作られてからほぼ20年経った現在、このシリーズを見ていると、いろいろ気がつくことがありました。
一言では言えない面もありますが、「じっくり構えて、本格的に創る」とでも言えそうな、製作者たちの根性を感じるのです。この感覚は、図らずしも似ているのですが、NHK大河ドラマ「麒麟がくる」の枠で現在取り組まれている過去の大河ドラマの名場面を振り返る番組で感じる、あれに似ていると思いました。小さなエピソードでも丹念に、後々生きてくるお話として疎かにしないで描ききる精神に溢れているように感じました。
この作品の背景を調べていて気がついた面白いことは、主人公の名前・ホレイショ・ホーンブローの「ホレイショ」についてです。ナイルの海戦で有名なイギリスの提督の名前が「ホレーショ・ネルソン(Horatio Nelson)」。ネルソン信奉者が多いイギリスでの読者、そして放送を前提としたストーリーらしい設定に、改めて作家さんの発想にも拍手したい感じです。
なお、ラッセル・クローが艦長として活躍する映画「Master and Commander」(2003年公開)も同じ時代設定になっていて、制作された年代が、2001年の911同時テロ前後という点も、面白い付合があるように思います。
まだ地上波のデジタル放送が確立していない時代の画面比率も4:3の時代のドラマですが、本格的に制作されたドラマは時代を重ねて視聴できる価値があるんですね。とても楽しめました。
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