この年末はアニメ・プロジェクトのため、アニメ関連のDVDや映画を観まくっている。28日の晩ははスタジオ・ジブリ作品「ラセターさん、ありがとう」を、29日の午後はアニメ映画「鉄コン筋クリート」を体験してきた。特に、「鉄コン筋クリート」には、ぶっ飛んだ!
鉄コン筋クリート・オフィシャル・サイトへのリンク
しかし、日本のアニメも国際化したものだ。DVD「ラセターさん、ありがとう」は、「千と千尋」を北米大陸で公開するに当たって、現地でプロモーションに尽くしたピクサー社の重役で「トイ・ストーリー」や「ファインディング・ニモ」などの製作総指揮を執ったジョン・ラセターさんと北米大陸公開のためのプロモーションに現地入りした宮崎駿監督とのやりとりを記録したドキュメンタリーである。そして、ピクサー社内で宮崎作品が本当に愛されており、手本とされており、宮崎監督を偉大な手本、偉大なこの世界の導師として尊敬されている姿を描き出している。
一方、「鉄コン筋クリート」は、鉄コンに魅せられたアメリカ人3Dクリエーターであるマイケル・アリアスが、執念のプロモーションの末に日本人協力者を結集してアニメ化したもので、その映像美、アニメの可能性を大きく拡大した映像技術など、プロモーション資料にもあるとおいり、「アニメ業界のマイルストーンとなる作品」だ。マスターは、正直言って、ぶっ飛んだ! 凄い!
宝町に住むホームレスの二人少年、96(クロ)と46(シロ)が自分たちの棲息領域を侵そうとする暴力装置に立ち向かっていく話だが、シロやクロたちの頭の中ので浮かんでくるイメージやファンタジーが現実のストーリーのなかに挿入されてくる。その、現実からファンタジーの世界への切り替わりの映像が、今までにないタッチでグッとくるのである。その他にも、彼らの眼になって走っていくシーンなどはいままでにない表現であり、各所に新鮮なシーンが繰り広げられている。兎に角、アニメとしては、新鮮な映像美のてんこ盛りに、酔ってしまうくらいだ。マジ、すごい!
確かに、宮崎作品の中でも、例えば、千と千尋のなかでも、ハクが抱えていた苦しみや矛盾、あるいは「ハウルの動く城」のハウルの抱えた業など、若者たちが都市化した社会のなかで抱え込んでいる苦悩、矛盾を解決できない苦悩などを、アニメの主役や脇役たちが、さまざまなアニメ的出来事を通してある種の解決を見つけていく訳だが、この「鉄コン筋クリート」の主役たちは、宮崎作品のヒーロー、ヒロインたちのように、綺麗で、上品で、優等生ではないのだが、実に、観る人たちをガァーーんと打ちのめす力を持っている。1993年というバブル崩壊のさなかにこの作品が世に出てきたというのも、興味をひかれる。今年の最後に、このようなすごい作品に出会えて、私は幸せである。
2 件のコメント:
お久しぶりです。
見ましたよ!先生。
いろいろと驚かされた作品でした。
まず、鮮やかな色彩と
書きこみの細かい背景にびっくりしましたね。
あとはアングルの懲り方とアクションのスピード感に迫力を感じる作品でした。
残念なのは後半のもたつき。
漫画を見ていない人にはまったくわからない
難解表現の部分は不覚にも一瞬寝てしまいしました。。。
そかそか、ナベさんも見たか!
山形先生ですら、見たそうだ。
確かに、後半は歯切れが良くないよね。
でもね、この漫画が出てきたのは93年で、バブル崩壊のまっただ中で発表されたんだけど、当時は賛否両論だった。でもコアな支持者が多くてね、いつか、アニメになるんじゃないかと期待してたんですよ。
いろいろ、感じ方を教えてもらい、ありがと!
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