原題はチャイナ・シェィクス・ザ・ワールドである。中国が世界を震撼させるとでもいう意味であろう。邦題は、いささか日本のテレビのバラエティ番組風であるが、その内容は、実に論理整然とした現代中国社会分析論である。やはり、第一線のジャーナリストの話は、私には肌合いが良いようだ。
13億人とは、全世界の人口(65億)の約1/5である。その中国人たちが改革開放政策によって資本主義的経済社会を一党独裁政権下で推し進めたのだから、中国国内には一般的な、そう、欧米日本のような市場主義社会で民主主義国では絶対に起こりえない矛盾が醸成されてしまっても、当たり前と言えば当たり前。だが、その規模、影響力が前代未聞のスケールで展開しているのだから、たまったものではない。低賃金をいいことに、製造業では世界の工場と化した中国企業が、それまで製造業の本場として地位を確立していたアメリカやイタリアの手工業都市を直撃し、ことごとく廃業に追い込んでいる様には驚いた。
さらに、国家からの規制などなきがごとし。欲望のおもむくままに、世界の資源を食い尽くしていく勢いには、経済社会を見続けてきた専門家には脅威と映るようだ。しかし、取り上げている事例がことごとく信頼性のある事例だけに、空恐ろしくなる。
例えば、ここ福井の地からでも実感されることとして、酸性雨の問題がある。これは中国の空位汚染の影響である。その中国国内のエネルギー消費は半端ではなく、その中には非合法的にシベリアの森林地帯から木材を切り出して、工業製品やエネルギーそのものとして使用している実例が示されていた。黄河では水量が年々減少しており、中国本土中央部から北東、北西部へかけての水不足、砂漠化の問題は、黄河流域の工場地帯からの汚染水公害問題と相まって、危機レベルに来ていることなど、その深刻さが述べられている。
読み応えのあるテーマがここ彼処に登場するが、最大の焦点は、欲望にまかせて肥大化する中国経済が、もはやエネルギーを中心にそのほとんどを世界からの輸入に依存していることで、そのことへの対抗手段として、西欧やアジアの国々が保護主義になることだと予測している点だ。そして、モラル欠如から、世界が中国離れする事態に至りそうなことを警告している点であろう。
経済視点の書籍はあまりなじみがないのだが、この書籍は必読だった。読み応え、150パーセントの五つ星というレベルか。
13億人とは、全世界の人口(65億)の約1/5である。その中国人たちが改革開放政策によって資本主義的経済社会を一党独裁政権下で推し進めたのだから、中国国内には一般的な、そう、欧米日本のような市場主義社会で民主主義国では絶対に起こりえない矛盾が醸成されてしまっても、当たり前と言えば当たり前。だが、その規模、影響力が前代未聞のスケールで展開しているのだから、たまったものではない。低賃金をいいことに、製造業では世界の工場と化した中国企業が、それまで製造業の本場として地位を確立していたアメリカやイタリアの手工業都市を直撃し、ことごとく廃業に追い込んでいる様には驚いた。
さらに、国家からの規制などなきがごとし。欲望のおもむくままに、世界の資源を食い尽くしていく勢いには、経済社会を見続けてきた専門家には脅威と映るようだ。しかし、取り上げている事例がことごとく信頼性のある事例だけに、空恐ろしくなる。
例えば、ここ福井の地からでも実感されることとして、酸性雨の問題がある。これは中国の空位汚染の影響である。その中国国内のエネルギー消費は半端ではなく、その中には非合法的にシベリアの森林地帯から木材を切り出して、工業製品やエネルギーそのものとして使用している実例が示されていた。黄河では水量が年々減少しており、中国本土中央部から北東、北西部へかけての水不足、砂漠化の問題は、黄河流域の工場地帯からの汚染水公害問題と相まって、危機レベルに来ていることなど、その深刻さが述べられている。
読み応えのあるテーマがここ彼処に登場するが、最大の焦点は、欲望にまかせて肥大化する中国経済が、もはやエネルギーを中心にそのほとんどを世界からの輸入に依存していることで、そのことへの対抗手段として、西欧やアジアの国々が保護主義になることだと予測している点だ。そして、モラル欠如から、世界が中国離れする事態に至りそうなことを警告している点であろう。
経済視点の書籍はあまりなじみがないのだが、この書籍は必読だった。読み応え、150パーセントの五つ星というレベルか。
0 件のコメント:
コメントを投稿