2日前の月曜日、コロナワールドという福井のシネマコンプレックスでは、月曜は男性客半額サービスをしているというので、約半年ぶりにシネマを観た。観た映画は、シェカール・カプール監督作品「エリザベス:ゴールデン・エイジ」である。1998年に発表した「エリザベス」の次作である。エリザベス役は「バベル」でも素晴らしい演技を見せていたケイト・ブランシェットである。
前作では、レスター伯ロバート・ダドリー、エセックス伯ロバート・デヴァルー(レスター伯とエセックス伯は義理の親子)たちとの愛人関係を清算しつつ、真のキングすなわち統治者としての自覚を持つに至る過程を描いていたが、今回はアマルダ開戦において、スペインの無敵艦隊を海賊上がりのドレーク提督たちが打ち破った頃に焦点が当てられており、ウォルター・ローリー卿(当時の愛人と言われている。彼はアメリカに女王を記念する土地を名付けている。バージニアがそれだ。処女王の威光を新大陸に知らしめようとしたらしい)やバチカンやスペインの意向を受けた暗殺者たちとの暗闘の結末を描いている。
歴史的なことはさておき、前作の時も思ったのだが、イギリスの中世歴史を全く文化文明的素養に異なった環境下で育っているインド人監督がこの映画を成功に導いていることだ。しかも、これは推測だが、イギリス人やヨーロッパ人たちが観ても異論を口挟まないだけのヨーロッパ的水準で演出しきっている。これを日本の土壌にあてはめて想像してみると面白い。インドネシアから出てきた映画監督が、日本の戦国時代の時代劇を創ったとしよう。想像だけだが、こりゃ、無理だと思ってしまう。しかし、カプール監督は見事に、この文化文明のバリアを払いのけて、作品をモノにしている。
確かに、日本人でも、イタリアで著名な企業の本社ビルの建設デザインを成功させたり、フェラーリをはじめとするプロトタイプ・マシーンのデザイン・チーフとして成功した人など、異文化異文明圏で業績をあげている方々は多々あるが、映画という非常に娯楽性が高く、観客すべて批評家といっても過言ではない領域では、何故か、日本人監督ハリウッドを制覇! とは、行かない。勿論、日本が得意とするアニメでは成功例はあるが、実写のシネマとなると、なかなか難しく、今後もこのような事例が日本人からでてくるとは思えないのだ。そして、私は、何故出てきそうにないのか、その理由を考えているのだが、なかなか答えがみつからない。
などという感想を持った。娯楽作品としては、いま一つだが、前作と合わせて中世、それもシェークスピアが出てきた頃のイギリスの歴史を勉強するにはうってつけの映画と言える。
前作では、レスター伯ロバート・ダドリー、エセックス伯ロバート・デヴァルー(レスター伯とエセックス伯は義理の親子)たちとの愛人関係を清算しつつ、真のキングすなわち統治者としての自覚を持つに至る過程を描いていたが、今回はアマルダ開戦において、スペインの無敵艦隊を海賊上がりのドレーク提督たちが打ち破った頃に焦点が当てられており、ウォルター・ローリー卿(当時の愛人と言われている。彼はアメリカに女王を記念する土地を名付けている。バージニアがそれだ。処女王の威光を新大陸に知らしめようとしたらしい)やバチカンやスペインの意向を受けた暗殺者たちとの暗闘の結末を描いている。
歴史的なことはさておき、前作の時も思ったのだが、イギリスの中世歴史を全く文化文明的素養に異なった環境下で育っているインド人監督がこの映画を成功に導いていることだ。しかも、これは推測だが、イギリス人やヨーロッパ人たちが観ても異論を口挟まないだけのヨーロッパ的水準で演出しきっている。これを日本の土壌にあてはめて想像してみると面白い。インドネシアから出てきた映画監督が、日本の戦国時代の時代劇を創ったとしよう。想像だけだが、こりゃ、無理だと思ってしまう。しかし、カプール監督は見事に、この文化文明のバリアを払いのけて、作品をモノにしている。
確かに、日本人でも、イタリアで著名な企業の本社ビルの建設デザインを成功させたり、フェラーリをはじめとするプロトタイプ・マシーンのデザイン・チーフとして成功した人など、異文化異文明圏で業績をあげている方々は多々あるが、映画という非常に娯楽性が高く、観客すべて批評家といっても過言ではない領域では、何故か、日本人監督ハリウッドを制覇! とは、行かない。勿論、日本が得意とするアニメでは成功例はあるが、実写のシネマとなると、なかなか難しく、今後もこのような事例が日本人からでてくるとは思えないのだ。そして、私は、何故出てきそうにないのか、その理由を考えているのだが、なかなか答えがみつからない。
などという感想を持った。娯楽作品としては、いま一つだが、前作と合わせて中世、それもシェークスピアが出てきた頃のイギリスの歴史を勉強するにはうってつけの映画と言える。
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