火曜日, 3月 29, 2011

災害報道3週目

テレビも通常編成に戻り、災害報道は落ち着きを見せている。しかし、NHKはひきつづき番組の編成を災害報道を主軸に置き、多くの時間をついやして報道を続けている。何でも、軒並み20数パーセントを超える高い視聴率を保っているらしい。国策的なメディアとして長年にわたり役割を果たしてきたノウハウが活かされているように思う。
 一方、民放各社は通常番組に特別番組を差し込む形で放送しているが、相変わらずCM乃自粛が続いており、ACが流れ続けている。そのACも、初期バージョンは影をひそめ、新バージョンが続々登場している。約2週間で、30秒クリップのヘビーローテーションは飽きられたと言うことか。
 ユーチューブのアーカイブには、報道各社および一般市民がとらえた災害発生時のクリップがどんどん投稿されており、その量と質は、放送された内容をはるかにしのぐ。まさに圧倒される映像がつづき、息をするのも苦しくなるほどのインパクトを持っている。中にはつなみで家屋や車が濁流に流されるその脇で撮影されたものもあり、人々の阿鼻叫喚、モノが潰されクラッシュする金属音の連続に、背筋が凍り付いた。
 さて、福島原発の方といえば、出口の見えない袋小路にはまり込んでしまったようで、いまさらながらに原子力への幻想に惑わされ続けてきた現代の人類の「欲」が恨めしくなってくる。大江健三郞氏は、「原爆を体験し、原子力の醜さ、怖さを知っている日本人は、原子力に手を出すべきじゃなかったのだ」という趣旨の発言をされたようだ。私も全く同感。

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