火曜日, 11月 03, 2009

韓国ドラマ・マラソン鑑賞備忘録〜大王世宗(テワンセジョン)〜

李氏朝鮮の第4代国王世宗の幼年期から晩年までを描いた韓国歴史ドラマ全88話を、先週の週末から見始めて今日、最終話まで辿り着いた。全88話ということは、寝ることなく見続けても約3日半かかるボリューム。最初は2週間はかかるかと予想していたが、面白さにどんどん時間を費やし、この連休を使って後半40話を一気に読み進めた。DVDを本に例えることは不自然かもしれないが、まさに長編小説を読破したような感慨にふけっている。
 世宗については前々から興味があり、一度詳しく調べてみたと考えていた。仕事柄、出版文化論を構成する上で、15世紀になって創製された表音文字ハングルの創始者が、どのような発意から創製に至ったかを知る必要があったからだ。また、同じ漢字文化圏に生きるものとして、アジアの偉人を知っておきたいという欲求もあったからだ。
 物語の中では、中国との外交政策や対馬を巡る争いなども描かれており、日本語での演技も出てくる。この辺はかなり怪しい扱いになっており、如何かがなものかと思わせる場面もある。しかし、場面場面に盛り込まれているパワーゲーム(権力争い)のロジックややり取りの妙には処世術的な面で考えると、実に教唆に富む構成になっていて、韓国ドラマのシナリオライターたちの論理力の素晴らしさに感嘆してしまうのだ。
 俳優としては、王妃役のイ・ユンジに嵌りそうである。イサンに出てくるハン・ジミンの素朴なかわいらしさも良いが、イ・ユンジの柔らかくも高貴な演技は多くのファンを掴んだに違いない。
 文化政策としても韓国ドラマの奥に潜む韓国の情報戦略をそろそろ本格的に調べ、インタビューなどを交えた調査取材を計画したいものだ。
前回の備忘録以降の鑑賞作品:京城スキャンダル、風の絵師
 待ちの作品:拝啓、ご両親様の43話から56話(11月6日以降レンタル可能)

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