日曜日, 8月 10, 2008

森田地区の花火大会 九頭竜川堤防につどう家族連れ

今日は福井市の隣町になる森田地区の花火大会。午後7時半過ぎに九頭竜川の堤防へ向かうと家族連れが、折りたたみチェアやレジャーシート、クーラーボックスを持って集まってくる。日頃聞き慣れない関西弁を喋る子供もいる。きっと、お盆で関西方面からお里帰りしている家族連れであろう。こんなところにも、都会と地域社会という区分の根付いた現代日本の縮図が見え隠れしている。
 九頭竜川の堤防沿いには子供の頃の思い出が詰まっている。小学校の頃は、5年生、6年生になると本校のある中藤地区まで遠路歩いて通っていたが、下道に飽きると、わざわざ遠回りして、この堤防にのぼっては、東に白山山脈、北には坂井平野、南には福井市の町並みを遠望して、広々とした景観を楽しみながら、のんびりと帰ってきたものだ。あるいは、極寒の雪の中を、堤防スキーに夢中になっていた。あまりに帰りが遅いので、母親が黒い長靴をはいて、この堤防まで探しに来たこともあった。そうそう、親父と一緒に、この河で水泳を習ったこともあった。
 8時近くになり、初発が打ち上がる。驚いたことに、音響が光りに遅れて、しかも後方から響いてきたのには新鮮な驚きがあった。打ち上げ場からは、川を挟んで、約1キロは離れているのに、音が後ろから襲ってくるとは思わなかった。しかし、臓腑に響く音響の心地よさ、夜空に咲く色彩のはかなさ、ちょっと寂しい感じになるのは、なぜか懐かしい感性に満ちている。子供の頃はなかった堤沿いはアスファルト舗装がなされており、日中の酷暑の熱をいまだ保っておる。直に腰を下ろすと、ホンワカした暖かさが伝わってくる。そして、蚊に刺されながらも、光りと音響のスペクタクルが、日頃の憂さを忘れさせてくれる。
 ほんの30分ほどで花火大会は終わってしまったが、この日を楽しみにしている人々の多さに、改めて感心してしまった。帰り際、私の近くだけで、優に300人以上の人々が集まっていたのだから。そして、このような風情を一人で楽しんでいるのは、ちょっと、恥ずかしく、もったいないことなのかもしれないと思うのだ。

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