木曜日, 9月 25, 2008

彼岸花 その後の顛末

今すむ伽藍の建物から北へ約400メートル行ったところに、我が生家と昔風の田舎屋敷がある。現在は借家として、福井大学の研究職をしている若いご家族に住んでいただいているのだが、先日、猫のみが大発生し、その駆除騒ぎが勃発。業者さんにのみ退治に出動してもらい、どうにか騒動は終焉に向かっているようだ。そんなこんなで、旧宅へこのところ頻繁に足を運び、そして気がついた。旧宅には、昔から彼岸花が自生していた。今も咲いている。
 名古屋からの帰りのしらさぎの車窓から、大垣を過ぎ、関ヶ原から米原にかけての沿線には、それこそ彼岸花が今を盛りに咲いている。田んぼのあぜ道、河原や堤、さらに農家の庭先など、実に綺麗で、その彼岸花だけを追いかけていても飽きないくらいに美しい。そして、「何故、福井平野から彼岸花が姿を消したのか?」が、頭にもたげてきたのだ。その理由については、先のコラムに書いたとおりなのだが、その理由を聞くにつれ、どうしても私の身近な環境に彼岸花を再生したい気持ちになってきた。
 そこで、東海地方の田舎に住むセミナー生に頼み込んで、近くに自生する彼岸花の球根を取ってきて貰った。園芸に造詣のある彼女のおばあちゃんがその役を買って出てくれた。月曜日のセミナーのとき、彼女のおばあちゃんが採取してきてくれた球根を貰い、本当に嬉しくなってしまった。
 そして、今朝、もらった球根を伽藍の敷地内に移植した。夕方、その移植した彼岸花を見たところ、一輪だけ花までついた状態のものが、移植する前はしなびていたのに、もう精気を取り戻して、シャンとしているではないか! 自然に自生する彼岸花の強さに痺れている。来年のこの季節がいまから待ち遠しい。

金曜日, 9月 19, 2008

悲しき福井の彼岸花 ガーデニング・ショップで聞いた嫌なお話

NHKのハイビジョン・スペシャルで放映された愛知県半田市は矢勝川の堤を覆い尽くす約百万本の彼岸花。一人の老人の地道な努力が、やがて地域の人々の自然発生的な環境保護運動となり、ないよりも約2キロに渡って咲き乱れる彼岸花の堤に近郷の人々だけでなく、全国からその景観を見に来るという。その彼岸花の福井バージョンは、あまりにも寂しく、悲しい話だ。
 福井でも私の子供の頃は、あぜ道や九頭竜河の堤防には自生している彼岸花を見ることが出来た。これは、かすかに記憶に残っており、上記のドキュメンタリーを見ながら、さて、福井ではあまり見かけなくなったが、どうしたのだろうと疑問に思った。割れて垂れ下がるような朱色の花と同じく細く割れている緑の葉。何故か、心に引っかかったのだ。よく考えると、旧宅の敷地のなかに、一株か、二株、この彼岸花があったことに気がついた。しかし、現在は立ち枯れてしまったのだろう、見かけない。そうなると、無性に彼岸花を旧宅敷地内に再生させたくなった。
 そこで、園芸店に行き、彼岸花の球根を手に入れるにはどうしたらよいかを尋ねたところ、年配の女性オーナーが、興味深いお話を教えてくれた。確かに、この福井平野、坂井平野のあぜ道、河原、堤には、彼岸花は約40年ほど前までは自生していたらしい。しかし、約30年前、民間の単純なうわさ話が広がり、それを契機に、彼岸花の球根とい言う球根が、多くの福井人に寄って掘り起こされ、持ち去られてしまったのだという。その理由は、リューマチか腹下しに聞くという民間伝承が急に広まり、たちどころにその噂は彼岸花球根発掘運動に進化し、だれもが堤に出ていき、掘り起こしてしまったそうだ。
 この騒動を契機に、福井平野からは彼岸花が消えていったらしい。なんとも、人間の欲やそれに駆られた異常行動が、このような環境異変をもたらすのだという生きた実話を聞いてしまい、寂しい気持ちになってしまった。なんとか、彼岸花の球根を手に入れ、旧宅敷地内に再生するプロジェクトを立ち上げたい。

火曜日, 9月 09, 2008

壮年期の心得 大カマキリ君との運命の出会い

来週から本格的に秋の陣となる1週間前。昨日は、昨年の冬頃から気がかりになっていた視力の検査、眼精疲労について診てもらいに眼科へ出掛けた。すると、問診から始まり、いろいろ症状を話す内に、一度きっちり診断するために、麻酔を掛けて、眼球内の写真を撮りましょうということになり、両目の写真を撮影することになった。瞳孔開くための麻酔処置を施され、眼球内を撮影。その写真を診断したお医者さんは、明日(つまり今日)、もう一度、視野の検査に来院してもらいたいことと、白内障のおそれがあるので、慎重に検査しましょうと申し渡されてしまった。いやはや、マジ、怖くなった。
 そして、今日は視野検査にでかけた。検査の結果、白内障に一歩手前の状態で、ほっておけば、必ず症状は深刻化するから、予防的に発症を抑えるための継続的な治療をしましょうということになった。毎日、4,5回の点滴を目に施すための目薬を5本もらい、次回の診察時期まで指定される有り様。いやー、まいったまいった。
 壮年期に来ている割には、気分も若く、身体を丹念にメンテすることに意識が回っていなかったツケがでたようで、凹んでしまうが、一歩手前で良かった思う他ない。これを契機にすればよい訳で、そう思うことにする。
 自覚症状は、車で大学へ通わなくなった3年ほど前からあった。車をやめた理由も、あまりにも眼精疲労が激しくなってきて、危ないと感じたからだったし、そこ頃からパソコン仕事も夜の無理が効かなくなってきて、困ったものだと感じていたのだ。3年前に眼科へ行っていたらどうだったか、などという、「たられば」発想はやめにしょう。これからは、目薬を欠かさず、予防予防の毎日だ。
 そう考えをまとめると、急に清々しくなり、帰りはタクシーを行きつけの花とテントウムシに付けて貰い、エスプレッソを1杯所望し、店から家までの帰り道2キロくらいは、稲刈りのまっただ中のたんぼ道を歩いて帰ってきた。あぜ道脇には様々な草花が自生し、自家用菜園のスペースには、秋なすやしそ、赤い唐辛子、季節外れの瓜などが目に付く。どれも丹精に栽培されており、こういう野菜は大地の力を充分にもらっているのだろうなー、と変に感心してしまった。
 こういうたんぼ道を歩くのも久しぶり。清々しい新鮮な空気を満喫しながら歩いていくと、あぜ道のど真ん中に、それはそれは大きなカマキリ君が進んでくる私を睨んでいるじゃないか。あまりにも立派なその体躯は、尊厳に満ちあふれており、私が近付こうが、微動だにしない。恐る恐る、その脇をすすんだが、驚いて飛び去ることなどなく、威厳を保っている。5メートルほど進んで、振り返ってみても、先ほどと同じ姿勢で宙を睨んでいた。
 大カマキリ君の毅然とした姿は、しっかりせい、元気を出せ、堂々と進めばいいのだ、と私に気付かせてくれているようで、今日の出会いは、一生忘れないようにしたい。

火曜日, 9月 02, 2008

秋肥ゆる何とかは、避けたいのだが......??

9月になり、新学期向けの気力、胆力、体力を準備しなくてはならないのだが、身体が重い。今朝、恐る恐るヘルスメーターに乗ったところ、2週間前と比べて、1キロ増。やはり......。この体重増には原因が掴めないのだが、たぶん、夜の間食(おかしの類)の取りすぎなのではないかと、疑っている。今日から、夜の間食はストップだ。
 しかし、サンマが美味しい季節になってきた。宮城県産、あるいは三重県産の非冷凍物がスーパーの店頭にパックにされて2匹200円は安い。塩焼きにして2匹も食べれば、この味を知る日本人であることを幸せに思う。おろしポン酢という新商品も有り難い。少々甘みがきつすぎるが、サンマやイワシの塩焼きに実に良く合う。最近のマイブームの一つになっている。食のマイブームと言えば、レタス1個から、サラダに1/3使い、残りの1/3をパスタの具に使い、ラップ掛けした残りの1/3を翌日良く刻んで残り物の御飯と一緒に、簡単ピラフを創ると言ったことも、この夏のルーティンになっていた。つくづく、レタスは重宝な野菜だ。
 ニール・バレットのデザイン・オフィスに就職したSUMIKOが8月中バカンス休暇で福井に帰っており、4,5日手伝いに来て貰った。その際聞いた、冷製パスタもこの夏を彩るマイ・ブーム。バジル・ソースを絡めてサラダ風につくるのが、なんとも簡単で、しかもゴージャスな一皿。具には、トマト、ベビー・アスパラにベビー・コーン。この間は、さらに梨を加えてみた。すると、彩りが美しく、食が進むのだ。しかし、冷製パスタもそろそろ終わりに近づいている今日この頃。10月になったら、土産の幅広乾麺を使って、サーモンと野菜を合わせたクリーム・ソースのパスタに挑戦したい。しかし、こういう懲り方をしていると、ダイエットが........!

   アマゾン・プライムのラインアップ構成、なかなか気が利いていると思います。このお盆の時期、見放題のラインアップに、「戦争と人間=3部作品」や「永遠の0」が出てきていましたが、それよりも良かったと思ったのは、「空人」です。エンターテイメント性は希薄ですが、これぞ名画といった作品...