サッカーWカップ第3次予選対オーマン戦は、久しぶりにすっきりした試合だった。ゲーム開始直後から激しくボールを奪い行く姿勢が徹底され、中盤より相手陣営内でボールを小気味よく回し、少ない決定機を見事にものにしていた。観ていて負ける気がしないゲームは、本当に久しぶりである。3日後にはアゥエーでの試合があるが、今の姿勢を徹底して行ってもらいたいものだ。
日本の中盤には中村俊輔、松井大輔、長谷部誠など、現在ヨーロッパで活躍する、所謂海外組がそろって参戦している。彼らの呼吸も合っているように見えた。特に、俊輔がボールを持つとキープできる。すると、松井や大久保といったやんちゃ小僧たちが面白いように仕掛けを創造できる。サイドを追い越してのワンツーも気持ちよく流れるといった感じで、試合は終始日本ペースで進んでいた。
そして、新たに主将になった中沢が、最初の均衡を破るヘッド一発の1点目を叩きだしたのも良かった。これで勢いがつき、余裕が生まれ、中盤から前線に向けてのファンタジスタたちの個性を生かせる流れになったのが最大の勝因なのだと思う。
やんちゃなサッカー小僧たちの頭目となった俊輔も、この6月下旬には30歳となる。日韓同時開催のW杯では直前にトルシエによってメンバーから外された経験を持つが、当たりの激しいイタリアやスコットランド・リーグやチャンピオンズ・リーグを戦う内に、すっかり頼えるベテランの10番になっていた。後半の開始直後の右足によるゴールなど、ファンタジスタの面目躍如といったところか。観ているこちらまでもが、左足のシュート・フェイントにだまされてしまった。
もう一人、忘れてはならないのが、ヤットこと遠藤保仁。ボランチとして、後ろに控えながらも、そのボールさばきは見事だった。あのさばきがあったからこそ、俊輔は右に左に自由に流れて仕事ができたように思う。俊輔が仕事が出来れば、さらに松井や大久保のやんちゃを引き出すことが可能。そう考えてくると、中沢をはじめとするバックスからのビルドアップ、攻撃的な守備が勝機を演出していたと理解できる。2点目の俊輔からのロング・パスを闘莉王がヘッドで合わせて左マイナス気味にだし、大久保のシュートをアシストした例など、戦う守備の典型的な例と言える。才能のあるものたちが一瞬のアイコンタクトでお互いにやろうとするイメージを共有できていたことを確認できて、南アフリカ大会への期待が出てきた。故障や怪我、警告の累積による出場停止など、無駄な戦力低下をすることなく、予選を全勝で駆け上がって貰いたい。さぁ、応援ムードの再開だ!
勝利監督インタビューで岡田さんは、メキシコ五輪監督で日韓W杯を誘致した長沼健前日本サッカー協会会長が逝去され、その話題に触れたとき、心なしか感情的な表情をみせていた。97年のW杯フランス大会予選の最中に賀茂周監督を解任し、当時コーチをしていた岡田さんを監督に抜擢した人が、長沼さんだった。もっと遡れば、早稲田大学に入学当初、サッカー部に属さなかった岡田さんを協会に呼びつけ、激しく「何故、サッカーを続けない!」と叱責したのが、長沼さんだったという逸話をスポーツ紙は伝えている。だから、逝去の伝えられたその日のゲームで、負けるわけにはいかなかったのだ。そんな情感が籠もっていた。こういうモチベーションを大事に考えるところも、日本のサッカーの文化になりつつあり、とても好ましく思える。
こういうことの積み上げが、前日本代表監督のオシムさんが言っていた、日本の文化、日本人の体質に合ったサッカー文化の構築に実現させていくプロセスになるのだろう。そう、信じたい。
日本の中盤には中村俊輔、松井大輔、長谷部誠など、現在ヨーロッパで活躍する、所謂海外組がそろって参戦している。彼らの呼吸も合っているように見えた。特に、俊輔がボールを持つとキープできる。すると、松井や大久保といったやんちゃ小僧たちが面白いように仕掛けを創造できる。サイドを追い越してのワンツーも気持ちよく流れるといった感じで、試合は終始日本ペースで進んでいた。
そして、新たに主将になった中沢が、最初の均衡を破るヘッド一発の1点目を叩きだしたのも良かった。これで勢いがつき、余裕が生まれ、中盤から前線に向けてのファンタジスタたちの個性を生かせる流れになったのが最大の勝因なのだと思う。
やんちゃなサッカー小僧たちの頭目となった俊輔も、この6月下旬には30歳となる。日韓同時開催のW杯では直前にトルシエによってメンバーから外された経験を持つが、当たりの激しいイタリアやスコットランド・リーグやチャンピオンズ・リーグを戦う内に、すっかり頼えるベテランの10番になっていた。後半の開始直後の右足によるゴールなど、ファンタジスタの面目躍如といったところか。観ているこちらまでもが、左足のシュート・フェイントにだまされてしまった。
もう一人、忘れてはならないのが、ヤットこと遠藤保仁。ボランチとして、後ろに控えながらも、そのボールさばきは見事だった。あのさばきがあったからこそ、俊輔は右に左に自由に流れて仕事ができたように思う。俊輔が仕事が出来れば、さらに松井や大久保のやんちゃを引き出すことが可能。そう考えてくると、中沢をはじめとするバックスからのビルドアップ、攻撃的な守備が勝機を演出していたと理解できる。2点目の俊輔からのロング・パスを闘莉王がヘッドで合わせて左マイナス気味にだし、大久保のシュートをアシストした例など、戦う守備の典型的な例と言える。才能のあるものたちが一瞬のアイコンタクトでお互いにやろうとするイメージを共有できていたことを確認できて、南アフリカ大会への期待が出てきた。故障や怪我、警告の累積による出場停止など、無駄な戦力低下をすることなく、予選を全勝で駆け上がって貰いたい。さぁ、応援ムードの再開だ!
勝利監督インタビューで岡田さんは、メキシコ五輪監督で日韓W杯を誘致した長沼健前日本サッカー協会会長が逝去され、その話題に触れたとき、心なしか感情的な表情をみせていた。97年のW杯フランス大会予選の最中に賀茂周監督を解任し、当時コーチをしていた岡田さんを監督に抜擢した人が、長沼さんだった。もっと遡れば、早稲田大学に入学当初、サッカー部に属さなかった岡田さんを協会に呼びつけ、激しく「何故、サッカーを続けない!」と叱責したのが、長沼さんだったという逸話をスポーツ紙は伝えている。だから、逝去の伝えられたその日のゲームで、負けるわけにはいかなかったのだ。そんな情感が籠もっていた。こういうモチベーションを大事に考えるところも、日本のサッカーの文化になりつつあり、とても好ましく思える。
こういうことの積み上げが、前日本代表監督のオシムさんが言っていた、日本の文化、日本人の体質に合ったサッカー文化の構築に実現させていくプロセスになるのだろう。そう、信じたい。
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